01 | コハクは腐芥を取らず | 琥珀 | 廉潔の人は、不義・不正を身に近づけたりはしないということのたとえ。琥珀はちりを吸いつけるが、くさったごみまでは吸いつけないという意から。 |
02 | 泥棒を捕らえて縄をナう | 綯 | 事が起きてから慌てて準備を始めることのたとえ。 |
03 | テイトウも尚耳あり | 鼎鐺 | かなえやなべでさえ耳がある。聞き知っているはずなのに理解を示さない人をなじっていう語。 |
04 | 三界の火宅、シクの露地 | 四衢 | この世は、苦しみや悩みが絶えないものだ。 また、四つ辻の露地のように、閑散として居る事もある。 |
05 | 青雲シハクの譏り | 紫陌 | 青雲は空にあり、紫陌は、美しい道路のことで地にある。隔たりの大きい譏り。 |
06 | 瞋恚去り難し家を守る狗の如し、ジシン失い易し彼の野鹿の如し | 慈心 | 瞋恚(いかりやうらみなどの感情)は、なかなか自分から離れてくれないものである。それはちょうど家を守っている犬が、飼い主から離れないのと似ている。慈しみの心を失いやすいのは、野にいる鹿が人を恐れて近づかないのと似ている。 |
07 | シワい所へ皺がよる | 吝 | ケチな人ほど、いろんなしわ寄せがくる意か。 「しわ」を掛け合わせた洒落。 |
08 | 貴珠センボウより出ず | 賤蚌 | 貴重な真珠も、もとは汚い二枚貝(蚌)の中から出るということ。優れた人物や賢者が、貧賎の境遇から生まれ出るたとえ。 |
09 | 思う仲にクジさすな | 公事 | 仲のよい男女でも、自分たちのもめごとを裁判にまで持ち込めば、仲直りすることは困難となる。だから仲のよい者同士は、どんな争いであっても法律に訴えるようなことは避けた方がよい。 |
10 | 天の未だ陰雨せざるに迨(およ)んで、彼の桑土を徹りて、ユウコを綢繆す | 牖戸 | ツバメなどは霖雨のはじまらないうちに早くも桑の根を取ってきて、一所懸命に自分の巣を経営している。危険な事件の起こらぬさきにこちらの内部を固めていくというたとえ。 |