01 | イラカ破れて霧不断の香を焚く | 甍 | 平家物語の一節。 甍は破れ、仏前で絶えずたく香の煙のように、霧が絶えることなくたちこめる。 |
02 | ハクギョクロウ中の人と化す | 白玉楼 | 文人・墨客が死ぬこと。 「白玉楼」は、文人・墨客が死後に行くといわれる天上の宮殿。 |
03 | 衆口金を鑠かしセッキ骨を銷す | 積毀 | 讒言 (ざんげん) が積み重なると、堅い骨も溶かしてしまう。 人々の言う悪口の恐ろしさのたとえ。 |
04 | ヘッツイより女房 | 竃 | 生計すらたてられず、一人前でもないのに妻を欲しがる人のたとえ。自分一人でさえもとくに食べていけないくせに、結婚したがる男は多いもの。 |
05 | バチが当たれば太鼓で受ける | 撥 | 付けたし言葉の一つ。 そんなことしちゃ撥当たる。 撥が当たれば太鼓で受ける。 |
06 | 海はスイロウを譲らず、以って其の大を成す | 水潦 | 海はほんの水たまり程度のわずかの水でも、拒まず集めるものである。転じて小さなものといえども、すべてを吸収して大成する。 |
07 | 貧賤にセキセキたらず、富貴に忻忻たらず | 戚戚 | 貧しく身分が低くても悲しんだりせず、財産や高い地位があってもそれを喜び楽しんだりしない。貧賤や富貴に心をとらわれないということ。 「戚戚」は、うれえ悲しむさま。 「忻忻」は、喜び楽しむさま。 |
08 | シンルに順う者は帷幕を成す | 針縷 | 小さなものでも集まれば、やがて大きなものになることのたとえ。 裁縫をしている者は一針ずつ縫っているが、ついには大きな垂れ幕を縫い上げるということ。 |
09 | ショウキ大臣の棚から落ちたよう | 鍾馗 | 威張ってた者がしくじって、面目丸つぶれて惨めな状態をいう。 |
10 | 水行コウリュウを避けざるは漁夫の勇なり | 蛟竜 | 普通の人は恐れて逃げる蛟竜がいても、漁師は平気で水上を進む。 人にはそれぞれ持ち前の勇気があるということ。 |