01 | 果たして後に卓犖たる軍師となった | たくらく |
他よりぬきん出てすぐれていること。卓越。 「卓」も「犖」もすぐれる意。 |
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02 | 粉齏せられて迹だに留めなかった | ふんせい |
こなごなになること。 こなみじんにすること。 |
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03 | 蜑戸の連綴する入江を望む | たんこ |
蜑人の住む家。また、その家族。 あまの家。 |
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04 | 冢墓を発き棺椁を啓いた | かんかく |
内と外と二重になったかんおけ。 「棺」は、じかに死体を入れる箱「椁」は、棺を入れる外箱。 |
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05 | 黝然たる海が眼前に広がる | ゆうぜん |
うすぐろいさま。 樹木がこんもりと茂ってうす暗いさま。 |
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06 | 寄港地での淹留を余儀なくされた | えんりゅう |
久しくとどまること。 | ||
07 | 泛駕の馬に喩うべき逸才である | ほうが |
泛駕の馬・・・はやってわだちの跡をふみはずし、車をひっくりかえすような馬。 常軌に従わない英雄のたとえ。 |
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08 | 信徒の多くは磔罪を申し渡された | たくざい |
はりつけの刑。 | ||
09 | 冪冪たる雲を裂いて閃光が走った | べきべき |
雲などが一面におおいかぶさって暗いさま。 | ||
10 | 嚼蠟無味の日録を通見する | しゃくろう |
蝋を噛む・・・少しも味がなくまずいことのたとえ。 転じて、詩文などにおもしろみが少しもないことのたとえ。 |
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11 | 灯火をかかげて芸帙を繙く | うんちつ |
かおりぐさを入れた書帙。 「芸(かおりぐさ)」は、書物に挿んで紙魚を防ぐ草のこと。 |
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12 | 詒謀を循守して家名を挙げた | いぼう |
子孫のためによいはかりごとをのこす。 | ||
13 | 諸川を浚渫して舟楫の便を図る | しゅうしゅう |
舟とかい。また、舟のこと。 転じて、天子の政治をたすける臣下のたとえ。 |
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14 | 杲杲たる落日が連山を紫に変ずる | こうこう |
日の光りが輝くさま。 | ||
15 | 嶷然として人馬を容れない | ぎょくぜん |
ひときわたかくぬきんでるさま。 ひときわすぐれているさま。 |
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16 | 悪水沈澱して溝渠を淤塞す | おそく |
どろがつまってたまる。 | ||
17 | 上狃習して其の事を知る | じゅうしゅう |
よくなれる。 | ||
18 | 茅簷の下に終日寒山と対坐す | ぼうえん |
かやぶきの軒。また、その家。 | ||
19 | 正に病翼の黐粘に遭うが如し | ちでん |
鳥を捕らえるのに使う、ねばねばしたもちとりもち。 | ||
20 | 日中に踆烏有り、月中に蟾蜍有り | せんじょ |
ひきがえる。月にすんでいて月を食い、このために月が欠けるといわれる。 踆烏(しゅんう)は太陽の中にいるという伝説の三本足のカラス。「踆」はうずくまる意。 |